誰のためのデザイン? ――認知科学者のデザイン原論 D.A.ノーマン 著 野島久雄 訳 新曜社 を読んだ。
一言でいえば面白かった。
一部で、なんだか文化的制約と物理的制約を(わざと?)混同しているような部分があったようで気になったが、それは細かい話。
いろいろな意味での制約と、動作に対するフィードバック、自然な対応付け、そしてアフォーダンスが大事ということで、いろいろ覚えておくと役立ちそうだった。
また、考えうるエラーは必ず起きるとかなんとか、そういったところも結構言われていることなんだと思うけど、そういったあたりも、スリーマイルの原発事故等を例にしても言及されていて、やっぱりそうだよねーって感じ。仕組みを直して改善できるところを個人のせいにしすぎるのはよくない。うんうん。
認知科学って結構面白そうだな、と今更ながら感心。
アフォーダンスというのは、個人的には新しい用語だったけど、この場合には、たとえばボタンがあれば押したくなるといった具合に、モノそのものが表現できる意味、といったところかな。参考になった。
もう一冊、アフォーダンスに関する別の本(アフォーダンス-新しい認知の理論 (岩波科学ライブラリー (12)) )も読んだけど、アフォーダンスという概念についてちょっと言っている意味内容が違うようなきがしたので、どこかで用語の混乱があったのかも。
(wikipediaに書いてましたね。)
仕事で、ウェブアプリ開発のUI担当になって、いろいろとコードを見ているうちに、動作の仕様やボタンの配置、が気に入らない部分(たとえば、文脈によって自動的に決まられる部分がわざわざ選べるようになっていたりとか、セレクトボックスに一つしか項目がないのに選ばないといけないとか)があり、理由があってこうしているのかと迷っていたが、やっぱり使い手の不要な動作がなるべく無いように、画面に出ているものと機能との間に自然な対応付けができるように、ということで、バグ修正程度しか期待されていなかったけど、仕様レベルの変更を入れてがさっと変えてやった。
内容の要約は以下にあったので、ご参考に。
http://mems.mst.st.gunma-u.ac.jp/lecture/monodzukuri_03.pdf
http://www.shin-yo-sha.co.jp/mokuroku/books/4-7885-0362-X.htm