「本」タグアーカイブ

有川浩「県庁おもてなし課」(角川文庫)を読んだ

有川浩といえば、図書館戦争は1巻だけ読んでいまいち合わなかったので、先は読んでいない。
塩の街も読んだはずだけど、もう中身は覚えてないなぁ。

「県庁おもてなし課」は、以前話題になったのと、なにより電子書籍の安売りがあった時に買っていたので読んだ。

全体的には、軽くて読みやすい感じ。あっさり読めるので、移動の暇つぶしくらいにはちょうどいいのかも。

話は嫌いじゃないけど、恋愛要素よりも観光や役所の部分をもっと膨らませてくれればさらに良かったかなぁ。

前半は、県庁勤めの主人公が「民間感覚」というカルチャーショックを受けながら成長していく、というくだりが中心だった。この辺りをもう少し読みたかったような気がする。役所の中で、おもてなし課で、新しいことをやるのは大変なんだっていうことを期待してこのタイトルの小説を買ったと思うんだけど、後半だんだんと恋愛話じみてきて、あれれ?となる。

後半の、特に作家先生のくだりはちょっと、、。
確かに物語的な必然を整えたあとではああなるのはわかるんだけど、話としてそれいるか?と、あとから考えるとそんな気もする。

でもまぁ、基本的には読みやすいので、読んでいる途中ではすらすらと流れる感じで、気にしなければ気にならない、ということかもしれない。

Software Design 総集編を購入した件

毎日面白くもない仕事に明け暮れ、ようやっとまともな時間に帰れた日に、ふらっと立ち寄った本屋で見つけたSoftwareDesign総集編を購入。
ちょっと前にちらっと読んだ某記事を、手元に残しておきたいと思っていたけど、まだ入手できていなかったので、よかった。

次はこれを通勤時に読むためのタブレット端末がほしい!

こういうのが役立つ仕事をまたできるようになるんだろか、、、

Software Design 総集編 【2001~2012】
クリエーター情報なし
技術評論社

冲方丁「天地明察 上・下」角川文庫

いまさらながら、実家に帰る移動時間の暇つぶしに、天地明察の文庫上下巻を買って読んだ。

ハードカバーで出た時もだいぶ興味はあったけど、立ち読みした感じではちょっと読みにくいと感じていたので、今まで手を出さずにいた。まぁちょっと時間もあるし読んでみるかということで買ってみたら、思ったよりさらさらと読めて意外に感じた。(初版本のためか、一部変換ミスが残っているような気がしたが、、、。)

理論だけじゃなくて観測も大事だよね、という話。というか、人脈が大事だっていう話、というか。

主人公の渋川春海は、はじめはなんとなく頼りなさげに描かれて、後になっても、関孝和との対比で、努力家っぽく見えるけれども、碁、算術など、多才なわけで結局この人も才能があったんだろうなあと想像。

相も変わらず算術って楽しそうな習慣だよなぁ、と、結局話のツールの一つである算術・天文への興味のほうが勝るという、いつもの話。

なんだか何を言いたいのかよくわからなくなってくるけど、感想はこんなところ。

技術評論社「Linuxエンジニア養成読本」を読んだ

同時期に発売されていたサーバ/インフラエンジニア養成読本の方が役立ってたような気がしつつも、まぁ結局カーネルがなにをしているんだろうというのがわかりやすくまとまってるかな?というので買ってみた。ソフトウェアデザインの集記事のまとめになっている。

1章は、まぁ助走という感じ。ディストリビューションの紹介。さすがに10年後はこの記事使えないだろ。

2〜4章は、カーネルとかファイルシステムとかブートの仕組みがまとまっている。それぞれの項目はどこかで読んだような、、、というか、ソフトウェアデザインで見たやつも多いかも。絵が多いので読みやすいのと、この手のことは検索してもなかなかまとまった記事がなかったりするので、本としてまとまったものを持っておくのはいいかも。
btrfsとか将来楽しみ。nilfsについてはファイルシステムの項には記述がないんですが、バックアップ用とかに使ってみたいと思っていたり。

5〜7章は、コマンドとかシェルスクリプトとか、パイプ、リダイレクトの話。まぁ、使い方の話は、、、と思っていたけど、どうもこれ、linuxのgnuなコマンドじゃないと使えない話がそれとなく書かれている。それに、[a-zA-Z]と[[:alpha:]]が同等とか書かれてるけど、同等かどうかはロケール依存だぞ。(wikipediaにも書いてあるけど、zがアルファベットの最後になっていないロケールだと、[[:alpha:]]の方が広い。)
この本で、bashのinがないfor文、つまり
#!/bin/bash
for i ; do echo $i;done
が、スクリプトに渡された位置パラメタ($1など)をすべて評価してくれるということを知った。便利に使える場面もありそう。

7章は、システムコールまで戻ってパイプを説明してくれてるので、わかりやすかった。あまりこういう低レベルなところを意識することが普段ないので、参考になった。

Linuxエンジニア養成読本 [仕事で使うための必須知識&ノウハウ満載!] (Software Design plus)
クリエーター情報なし
技術評論社

お前ら津軽弁なめるなよ! 羅川真理茂 ましろのおと

つうか、なんで津軽から東京にやって来た雪の言葉をみんなあれだけ聞き取れるんだ?おかしいだろう〜!

雪の津軽弁は八割方違和感なく、文字に起こしたらそんなもんかなぁとは思う。が、それでもちょっと変なところはあるわけで、なんでバリバリに津軽弁な雪の一人称が「俺」なんだよ。そこは「わ」だろ!せいぜい「おら」くらいなら許してやるのに・・。他にもあるけど、津軽弁がちゃんと使われているからこそ気になる点。作者は八戸出身とのことだから(wikipediaより)きっと津軽弁には苦労しているに違いない。

で、最初にも書いたけど、雪はそこまで津軽弁しゃべってるのに、東京でどうして会話があれほど成立しているんだ??普通の津軽弁話者なら、あれだけしゃべったら早すぎて周りはききとれないのでは、、、。

だいたい津軽からきたひとっていうのは、津軽弁のアクセントが残りつつ単語は標準語なパターンが多いはずだが、雪なら性格的にそんなことは絶対しないだろう。なぜだ〜〜!

ってか、まぁ、三味線というか津軽弁漫画として楽しんでます。はい。

ましろのおと(1) (月刊マガジンコミックス)
羅川真理茂
講談社
ましろのおと(2) (月刊マガジンコミックス)
羅川真理茂
講談社

ましろのおと(3) (月刊マガジンコミックス)
羅川真理茂
講談社

小悪魔女子大生のサーバエンジニア日記 ISBN:477414522X

小悪魔女子大生のサーバエンジニア日記 を読んだ。

まず、手書きの文字が読みにくい、読めない。
内容はいいのでは?ただ、もうちょっと薄くつくれなかったのかなぁ?
5章の中身はちょっと毛色が違った感じがした。

不勉強ながら、この本を読むまで
http://blog.goo.ne.jp./
と、明示的にルートを書いてアクセスできることを知らなかった。

この本のように、わかりやすく解説するっていうことをなんとかうまくできるようになりたいと
常々思っているんだが、いろいろ難しいよねぇ〜。

小悪魔女子大生のサーバエンジニア日記 ——インターネットやサーバのしくみが楽しくわかる
aico,株式会社ディレクターズ
技術評論社

情報科学入門-Rubyを使って学ぶ

情報科学入門-Rubyを使って学ぶ(ISBN:978-4-13-062452-7)を一通り読んだ。

別にRubyである必要はないんだが、リストとか木構造を学んだり、オブジェクト指向が身に着く、という代物。初学者向けの本だが、非常に分かりやすい。講義の下本のような感じだが、読める人は一人でさくさく読めるでしょう。

というか、この本はrubyの教科書ではなく、情報科学の教科書、なわけなので、rubyの文法には必要最小限しか触れられていないが、余計な学習コストをかけずにアルゴリズムとか、繰り返し、再帰などのプログラムのエッセンスを学べるのでよろしいのではないでしょうか。 自分が高校生くらいの時に、rubyとこの本にアクセスできれば、もうちょっと早くプログラミングを始めていたのかもなぁ、、、、。

 

情報科学入門—Rubyを使って学ぶ
増原 英彦,東京大学情報教育連絡会
東京大学出版会

「パズルの軌跡」 機本 伸二  ハルキ文庫 

「神様のパズル」が割と面白かったので買ってみた。

あとがきによると、世の中では沙羅華がツンデレキャラだとかなんとか、、、。

まぁ、確かにツンデレっちゃぁツンデレだなぁ。。。

まぁ、それはおいといて。

前回はぶっ飛んだ物理理論が飛び交ってたんだけど、今回は、加速器、トレパネーションのくだりでほとんどネタがわかってしまったとか、Qコンがなんだとか言ってた割には全然出てこなかったとか、いきなり舞台は海外へ、とか、いろいろなんだかなぁ、という感じだった。
そもそも、量子コンピュータが古典的な計算機より圧倒的に速いという前提だったけど、本当かよ、、、。NP問題を多項式時間で解くアルゴリズムが存在するとかだけでは、量子コンピュータが古典的な計算機より速いということにはならなくて、NP問題でなければ、単位時間当たりの計算回数などなどが多いほうが当然勝つわけで、、、。

といったことを思ったんだけど、やっぱり邪念を持ちながら読むとまぁまぁこんなもんかなって感じだった。

まぁ、70点くらいかなぁ。映画の「神様のパズル」よりはましだったかな。

キノの旅12

基本的な感想は以前書いた記事とたいして変わらない。

今回、途中で落ちが読める話がちらほら。読むのにあまり時間がかからなかったのは、、、、作者の力量のおかげ、としておこう。まぁ、好きな人には楽しめる話なんでしょう。今回のように時事ネタをいくつか盛り込んでいけば、延々と書いていけるしね。今回、戦闘シーンがなかったけど、まぁ、なくてもいいかもね。カバー裏、ああいうネタを何度もやられるとさぁ、、、カバーを大事に取っとかなきゃならなくなるじゃないの、、、。ってか、ネタとか見開きとかはいいから本を安くしてくれw

キノの旅 12—the Beautiful World (12)時雨沢 恵一アスキー・メディアワークスこのアイテムの詳細を見る

日本の技術は世界イチィィィィィィ!!

と、いうわけでいまさら「漫画で読む!防衛白書平成17年度」と「平和の国のネバーランド」をよんだ。

同じ作者ということで、予想通り「平和の国の、、」は「漫画で」のネタをいくつか引きずって書いていたので、まぁ一緒に頼んで置いてよかった、と、、、、。
「漫画で」は、まぁ、一般向けってことでいいと思うんだけど、「平和の国の」は、完全にネトウヨ向けでは、、、。

カイジネタなどなどを、コピペでもいいから知っていて笑えて、しかも自衛隊とか興味あるような人たち、、、。ネトウヨ以外は、漫画オタ兼ミリオタってとこか、、?うーん、、、。

とりあえずあの落ちはどうなんだ、といっておく。
いろんな考え方があることを知った上で、ひとつの行動原理を選んでそれにしたがって動く、というのも立派な選択の一つだと思うのだが、いろんな考え方を知ると、その中からどうするか選ばないってのは、日和見だったり、ダブルスタンダードを許すことだったりにつながるとちょっと思ったわけです。

で、これが萌えだとかいってるやつは、うーん。どうなんだ。
最近認識されているような、あざとい、狙った、いわゆる萌え要素はそんなにないと思う、といっておく。

#まんがで読む!平成18年版防衛白書 が防衛省のサイトでpdfで公開されています。

キノの旅10

惰性で読んでいるので買ってみた。
銃のことを「パースエイダー」と呼ぶあたりにセンスを感じたんだが、
今調べたらスラングであった、、オリジナルじゃなかったのか、、、。

このシリーズ、はじめのうちは面白かったが、
書き口が定型文化してきている気がする(≒マンネリ化)
はじめのうちこそ、旅人とモトラド(注、、、
という描写である意味リセットされて新しい話を新鮮に読むことが
できたのだけれど、もはや飽きた。
特にシズ様パートは完全に定型文だろぉ、、、、。
あぁいった奇をてらった書き方は、何度もやるのはいたい気がする。

独特の雰囲気は壊れてないと思うけど、だらだら延ばしすぎている気がするなぁ。
旅人という傍観者が、訪れるさまざまな国(と文中でいっているが、
街といったほうが近い気がする。)で、矛盾に満ちた出来事を力技で
解決したり無視したりするという話。
まぁ、傍観者達は基本的に見るだけ、であり、
矛盾を目にしても「そうですか」といった感じでそのまま
過ぎていくことが多いんだけども。
社会に対する強烈な風刺といえないこともない。

んで、10巻。
師匠パートとシズ様パートはほぼ定型文どおり。
そろそろ始めのほうから読んでないと、10巻から読むに
はつらくなっているのではないかなぁ。
まぁ、いいけど。
第7話「歌姫のいる国」で
ですます調と、だ、である調が混ざっていて、はじめのうちは
ただ二つの視点の変化を書き分けているだけなのかと思ったが、
途中で入れ替わって混乱した。
主観がとなる視点が途中で入れ替わっているのか、なぁ?
ただのミスかと普通に思ってましたが。

そろそろこのシリーズもいい加減惰性で買ってます。
そろそろ潮時かなぁ、と思っていたりするわけなんですが、、、
はじめのうちの何巻かは本当に面白かったんだけどなぁ。
やっぱりマンネリ化にはかないませんよ。
全体的なストーリーもないし、永遠に作者の心の赴くままに
いつまでも話を続けられそうなものだけど、いかがなものかねぇ。

電撃文庫といえば、「キーリ」もちょっとかって読んでいたけども、、、。
あれ、一巻だけでよかったなぁ。
後の話は全部オマケだろぉ、、?

あ、あとがき?
まぁ、9巻よりインパクトなかったといっておく。

機本伸司「神様のパズル」ハルキ文庫

久々に、トラックバック練習板に書きますか。
っといっても、一個前のだけどな。

まぁ、最近はあんまり本を読んでないのだが、
こないだ立ち読みして即買ってしまったのが、

機本伸司「神様のパズル」ハルキ文庫

なわけですよ。

それなりにハードなSFなわけですが、
トンでも物理理論をかます天才少女が、
TOE、Thery of everythingを完成させて、ビッグバン起こして、
って言う話なんですが(っていうか、おもっきしネタバレですなw
まぁ、ホントは起こしてないんだが、、)
うだつの上がらない主人公が周囲に流されてトンでもな展開に
流されていくのがナイス。

久々のあたりでしたが、
SFマニアか、物理を知っているかでないと、話が全くわからないこと請け合い
なので、素人にはオススメデキナイ、というわけでした。

新城カズマ「サマー/タイム/トラベラー」ハヤカワ文庫

話自体は、というか、プロットは悪くないかもしれませんが、
この小説はあまり好きではありません。

新しさを衒っている感じがして、ちょっと嫌でしたね。
主人公の語りで本編が描かれてるんですが、
そのちょっと、厭世的で、気取った口調が嫌いでした。
(まぁ、主人公が、頭がいいという設定なんで、狙ったんだとおもいますが)

「本当のことを言う奴は嫌われる」
という文章は、ちょっとどうかな〜、と思いました。(序盤の方で出ます)
どっかで聞いたせりふって言うのは、もちろんなんですが、
仮にそのせりふが本当だとしたら、作者は嫌われて、本の
人気は出ない。仮に嘘だとしたら、そんなものは教訓なんぞになりえない。
(作中、教訓扱いされてます)
と、矛盾めいたものをひねくりだしてみたりなんかしちゃって、
ま、作風があんまり好きじゃないってことです。

しかも、1と2に分けて売ってやんの。
1を読み終わったあと、2を買うつもりは全然なかったのに、
立ち読みしてたら店員にうざがられて、買ってしまったってクチですよ、、、。

森博嗣「ダウン・ツ・ヘブン」(中央公論社かな?)

大学の生協で立ち読みしました。
(1800円はちょっと高い、、、。)
スカイ・クロラとナ・バ・テアは安くなってから買ったんですが。
このシリーズ、なんというか、戦闘機というある意味での極限状況と
その中での心理描写のシュールさ。
森博嗣というと、すべてがFになる、、とかのシリーズが有名ですが、
こんなのも書けるんだ〜、なんて、、、いや、すごいと思いますよ。
そっちのシリーズにもそのシュールさの片鱗はちょっとは見えてたと
思いますけど、やっぱり、全編それってのが、違いますね。
いや、われながら意味わからんだろうなと思いますけど、
面白かったですよ。
ただ、まだ次回作に続くっていう前提のもとでは、だけど。
なんというか、歯切れの悪い終わり方だったなぁ、なんて。
スカイ・クロラやナ・バ・テアのラストに
引きずられるのかも知れないけども、、。

ヘルマン・ヘッセ「車輪の下」新潮文庫

昼休みに大学生協の本屋で立ち読みしたら、
30分くらいすらすら読めたので、買ってしまいました。
読み終えたら感想書きます。

6月26日読了。
すんなり読みました。
押し付けられて勉強、名誉ある神学校への入学、
詩才あふれる友人との交わり、神学校からの脱落、
恋愛、失恋、職人の仕事、そして、、、。
ちょっと暗くなる、というか、何かを見ているような気になる。
そんな本でしたな。